・ニューヨーク眺めのいい部屋売ります

私が敬愛している俳優は数人いるが、その中の1人にモーガンフリーマンがいる。毎週金曜日22時にEテレをつければ頭がおかしくなるような難しい話をしている彼を観ることができる。もちろん今もその番組を観ながらこれを書いている。4月からは木曜日22時からの枠になるそうだ。忘れないようにしよう。今日はモーガンフリーマンが主演を務めた『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』という映画を観た。公開された時、映画館で観ようと思っていたが時期を逃してしまい、そこからずっと観たいと思っていた映画だった。

 

結婚してから40年、ブルックリンに住んできた夫妻の物語だ。40という歳を重ね、エレベーターがないアパートメントの9階に住むことが体力的にきつくなってきていた。そこで夫婦は、100万ドルほどで売れるとされる40年という様々な想いの染み込んだ部屋を売り、新しい家を買おうとする。

 

40年前にブルックリンに引っ越すと決めた際、友人たちにそんな田舎に越すのかと言われたものだ、というセリフがある。この夫婦は、現代のブルックリンになるまでの過程を知っているし景色も見てきた。田舎だった頃も、大都会になった今も。少し傷のある緑色のドアに金のドアノブ、アンティークで買ったバスタブ、夫の鼻歌をしながら歯を磨く姿、他人の私から見ても素敵な家だった。劇中では、40年間の中で起きた様々な夫婦の問題や想いに触れる。真っ直ぐな愛と積み重ねた生活を観て、ほっと温かい気持ちになった。

 

モーガンフリーマンは歳を重ねるごとに素敵になる。御年79歳。歩き方や白髪からも老いを感じる。しかし彼の目は強い。少し潤んだ目から本気の静かな想いを感じる。演技が上手い。渋い!!!!とにかく好きだ。

贔屓目なしに、良い映画なので是非ご覧下さい。