・ミクロの世界

昔からミイラには興味があったけれど、いつ頃からだろうか。骨が好きになった。骸骨を見ても怖い気持ちはあまりない。美しいとさえ思う。何故怖くないかと問われれば、私の皮膚と肉を剥げば同じように骨になるからだ。みんなみんな骨になる。

 

生物はガス交換であったり、傷の治癒であったり、脈であったり、意識せずとも生きるための行動をとっている。それは誰に教えてもらった訳でもなく、体が臓器が勝手に働いてくれている。それは普段は気づかないけれど、実はとてつもなくすごいことだ。

かっこうが卵の殻を破って外に出て目も開かないうちに他の卵を巣から落とすように、亀が卵の殻を破って砂を蹴って砂浜まで上がり海を目指すように。誰がそうしろと教えた訳でもないのに、生きるための行動を知っている。これはdnaによるものなのだろうか。

 

本を読んでいると知らないことをたくさん知ることが出来る。遺伝子を詳しく知りたくて読み始めたこの本には驚くべきことばかりが書いてある。

"ショウジョウバエがサナギになるとき、ダンスでもしているかのように、身体をよじらせ、もんどり打つように変化を遂げていく。サナギのなかで変態するあいだ、一斉に細胞たちは死ぬ。死によって生かされる「生」があるということを、三浦さんの動画はまざまざと見せつける。"

NHKスペシャル取材班『人体 ミクロの大冒険~60兆の細胞が紡ぐ人生~』

 

今日も明日も明後日も細胞はせっせと働く。今この時も。細胞によって生かされているのか、はたまた私が生きるから細胞が働いているのか。どちらかは分からないけれど、とても美しいことは確かだ。

明日もよろしく頼む!美しい骨になるその日まで。