・ROOM

先日、ROOMという映画を観ました。アカデミー賞などで多くノミネートされていたので、ご存知の方も多いでしょう。是非!是非観て頂きたい。

以下はネタバレも含みますので、読みたくない方は無視して下さい。

 

誘拐され7年もの間、納屋に監禁され、性的暴行を受け、子どもを産まされたジョイ。息子ジャック5年間狭い納屋を世界の全てとして生きていました。このままじゃ外にも出られず、何も変わらないと感じたジョイは、ジャックを死んだことにして誘拐犯を騙し、助けを求めたのでした。

 

まず、閉じ込められた部屋を世界の全てだと思っているジャックが死体のふりをして、外に出て初めて木を見て、母と自分と犯人以外の人間を見て、初めて太陽の光を全身に浴びて、本物の世界を知ったジャックの演技が実に素晴らしいのです。母と自分を救うために懸命に助けを求めるジャックの恐怖や、ジャックに思いを託す母ジョイの表情、あれは演技なのかと疑うほどのリアル。ここまでで涙が出てしまいました。

小さくて、細い、全力で走ったこともない5歳の男の子が懸命に助けを求めて走る。追いかけられる恐怖。私に子どもはいませんが、我が子が死にそうな恐怖と戦っている姿に見えるこんなリアルに久々に会いました。

 

さて、助かったジョイとジャックの親子はジョイの両親の元に戻り、生活を始めます。そこでも沢山の困難が降りかかります。

出られるわけないと思っていた外の世界にやっと出られたのに。息子は犯人の子どもであり、ジョイの親にとっては犯人の遺伝子を持つ孫。世間からは息子だけでも外に出せたのではないかという非難を浴びることに。

そんな困難の中でも、親子を救うのは本物の世界と息子ジャックなのでした。

 

広い本物の世界を初めて見たジャックが伝える世界は本当にシンプル。母親を救いたい一緒に居たいという想いもシンプルに伝わってくるのです。パワーの宿っている長い髪を切るシーンも感涙です。

 

世界を知って、徐々に成長し、普通の男の子になるジャック。生活を取り戻すジョイ。是非観て欲しいです。私たちも美しい世界に生きていることに気づかされます。 

明日はギターを持ってお花見。美しい春の世界を楽しみたいと思います。