・年間ベスト、第2位

続いて第2位です。

 

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森見登美彦『夜行』

 

美しい表紙のこの本、ファンタジーの世界に連れて行ってくれる切符です。森見ワールド大好きです。


大学時代の仲間たちと、あの日消えてしまった人に逢いにいく。全員がある画家に共通点がありました。

 

本が好きでよく読みますが、リアリティのあるものが好みで新書やエッセイなどが多くなってしまいます。しかし、森見登美彦のファンタジーは大好きです。現実世界から読者を切り離してくれる、本の持つ力を見せつけてくるものであり、その力に魅了されます。
少し混乱させられて、驚かされて、全く退屈しない素晴らしい作品だと思います。

"別れ"が背景に流れるこの物語。いつの時代にも別れは存在しますが、その悲しみや戸惑いは簡単に済ませられるものではありません。出来るならもう一度会いたい。言いたかったことも言いたいし、貴方の顎のラインが好きと伝えたい。


この物語では驚く形で会いたい人に会うことが出来た。でもちょっと悲しい。
そんなじんわりとした青色が滲むようなこの物語が大好きです。

 森見登美彦さんは本当に大学生を描くのが上手ですよね。京都で大学生活を送りたかったなといつも思ってしまいます。