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・すべてがFになる

book day person

好きな作家の1人である森博嗣のデビュー作『すべてがFになる』を読了しました。最近ドラマ化やアニメ化もされて、ご存知の方も多いと思います。

 

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すべてがFになる森博嗣

 

まず驚いたことは、20年ほど前に書かれた作品であるにも関わらずコンピューターシステムの話が全く古臭いものではないということでした。何も違和感がないのです。ミステリー作品において現在よくあるトリックとして、携帯電話やスマートフォンを使うトリックが挙げられますが、この作品が出来た頃はそのようなものは使えないトリックなのです。しかし全然古臭くない。まるで森博嗣は20年先の未来を予言していたのかという気分になりました。

 

話の内容としては、理系作家の名にふさわしいトリックで、素晴らしかったです。私が抱く森博嗣の作品のイメージは、薄いグレーです。理由は、無機質で完璧、クリーン、すべての物事が論理だっている、という理由からです。少し人間離れている感じ。ロボットに近いかもしれません。今回の作品も薄いグレーのイメージでした。ロボットのように、感情があまり問題にならない作品です。

 

読んでいて、言葉も胸に残るかっこいいものが多かったです。

「だけど、だいたい自然なんて見せかけなんだからね。コンピュータで作られたものは必ず受け入れられるよ。それは、まやかしだけど……、本物なんて、そもそもないことに気づくべきなんだ、人間は……。」とか「自分の人生を他人に干渉してもらいたい、それが、愛されたい、という言葉の意味ではありませんか?(中略)自分の意志で生まれてくる生命はありません。他人の干渉によって死ぬというのは、自分の意志ではなく生まれたものの、本能的な欲求ではないでしょうか?」などです。感情論に偏りがちな私にも納得出来るものでした。とても論理的という印象を受ける言葉だと感じます。まるで数学の問題を整理しながら解いているようなそんな気分になります。養老孟司森博嗣の対談を読んだことがありますが、その時に感じた森博嗣に対するイメージがそのまま反映されているのうな作品でした。

 

文系でも理系でも関係なしに読んでもらいたいミステリー作品でした!