・the dog days are over

 

戦車の出す火花が美しく見えたことがある。テレビ画面に映った戦車だった。遠い国で人を殺している。まるで線香花火の火花の様に見えてしまった。自分とは関係の無い場所で、身近なものではないからそう感じたんだろう。そう感じることが出来たんだろう。

綺麗だなと思った直後、なんて最低な事を...と思った。人を殺している火花が美しいだなんて無神経だし、命を愚弄している。

刀や銃も人を殺す。でも美術館に行けば、歴史のある日本刀は美しいものとして飾られるし、銃の愛好家だって世の中にはたくさん居る。銃のプリントがされた洋服なども街で見かける。人を傷つける、殺す道具であっても、片や美しいもの、お洒落なものとして扱われているのは、どこか不思議に感じる。

不謹慎とは思わない。むしろ人間は強い、かっこいいと思う。だって自分のことを殺す道具がプリントされた服や小物をファッションとして取り入れている。こんな道具、怖くもなんともないという主張に見えなくもない。校則に超厳しい体育教師の目の前を金髪で通り過ぎるようなそんな感じがする。変な例えだな。(笑)