・窓から射し込む西日
木皿泉という脚本家(または作家)がいる。数々のドラマを生んできて、母や私はそのドラマたちを毎週たのしみにしていたし、録画してあるものは今でも見返しています。
『野ブタをプロデュース』『セクシーボイスアンドロボ』『すいか』『Q10』『昨夜のカレー、明日のパン』など。一つは耳にしたことのある作品があるのではないでしょうか。
生きていう中で、というのは大袈裟かもしれないけど、自分の生活の中で出会う人がみんなドラマの登場人物のような人だったら私は幸せでたまらないと感じることがあります。木皿泉の描く人間はなかなか画面に映らない端役であっても魅力的な人物です。
この先、私はずっと誰かに何かを伝えなければいけないんだ 。私の心の中はわたししか知らないんだから。
私を救えるのは、宇宙でわたしだけだから
好かれようとか、うまくやろうとか...いいんだよ、そういうの。そういうの、もういいんだよ。オレはもういい。自分ができることだけを精一杯、毎日やっていく。そうやって生きていく。そういうの、情けないか?
素敵な言葉ばかり。私は本を読むのが好きなので、好きな本が映像化されたりすることがあります。でも大体映像化されると、思っていたのと違っていたりがっかりすることがあります。木皿泉の作品は映像だからこそ美しいと思えるものばかりです。
射し込む西日の切なさや、湯気を立てている白米。まるで小学校の教室のワックスの匂いを思い出すようなそんな懐かしくも切ない気持ちにさせてくれます。
誰かに観てもらいたいなーと思いつつ、DVD化されていない作品もあるので家に来てもらって観てもらうしかないのかな(笑)
『昨夜のカレー、明日のパン』は木皿泉が書いた小説として本屋大賞にノミネートもされました。映像だけでなくて、本も素晴らしかったので、ぜひ本を読んでみてください。